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胸に関する病気、乳房のトラブル

はり乳腺症・線維腺腫・乳ガン・のう胞・乳管内乳頭腫

胸に関する病気、乳房のトラブルは多くの場合、自分で発見できる。普段からチェックし異変を見逃さないように。


■ホルモンの乱れによるしこりや痛み、はり乳腺症

月経の頃は、ホルモンの働きによって乳腺が膨らんだりしぼんだりするもの。ところが、このホルモンのバランスが崩れると、胸が強くはり、激しい痛みを感じたり、乳首から分泌物が出たり、硬くなった乳腺がしこりとして触れるようになる。これらの症状はすべて乳腺症。
乳腺症は、30~40代を中心に、非常に多くの女性に見られる。しかしその診断基準は、医師によってまちまち。そのため同じ人の同じ症状が、病院によって、「乳腺症」と診断されたり、「異常なし」と診断されたりすることも。乳腺症の定義は、それくらいあいまいなものだし、病気だと思う必要もなく、不安に思うことはない。

⇒治療法

月ごとの生理的な変化だと受け入れられるなら、様子見をしよう。重い症状が続く場合は、ホルモン治療という選択もあるが、副作用があるので、よく考えて治療するかどうか決めたい。


■20~30代によくみられる痛みのない良性のしこり、線維腺腫

20~30代の女性によくみられる良性腫瘍。大きさは1~2㌢くらいのものが多く、2~3㌢になると成長は止まる。まれに、10~20代にできる線維腺腫の中には、5㌢くらいまで成長するものもある。痛みのないしこりで、表面は硬くてツルツルしている。乳房に根を張ったような感じはなく、よく動くのが特徴。
線維腺腫ができる原因ははっきりしていないが、初潮期や閉経期にできることはまれなので、ホルモンの過剰分泌が原因ではないかといわれている。

⇒治療法

しこり以外に特に問題になる症状はないので、治療はそれほど必要はない。年齢、触診、超音波検査などで線維腺腫と見当がつけば、乳ガンの可能性が残るといっても、ごくわずかだ。ただ、時に線維腺腫か乳ガンか区別がつきにくいケースがある。


■簡単な自己検査法で自分で見つけられるガン9割はしこりで発見、乳ガン

乳ガンは乳腺に発生する悪性腫瘍。乳腺は母乳をつくる小葉と、母乳が流れていく運河の役目をする乳管からなり、乳ガンのほとんどは乳管に発生する。日本人女性のガンでもっとも罹患率が高く、増加傾向にあるが、欧米に比べれば罹患率も死亡率もかなり低い。例えば、アメリカ女性は一生のうち8人に1人が乳ガンにかかるといわれるが、日本では20人に1人。死亡率も欧米は日本の1.5~3倍だ。
乳ガン発生には女性ホルモンが関係しており、出産経験のない人、初産年齢が遅い人など、エストロゲンの影響を受ける期間が長いほど、リスクが高くなるといわれている。実際、非婚のキャリア女性が多い都会ほど、乳ガンの罹患率が高くなるというデータもある。しかし20~30代で乳ガンになる人は少数で、しこりを見つけても95%は乳腺症などの良性腫瘍。むやみに恐れる必要はない。

⇒発見方法

乳ガンの多くは本人がしこりで発見し、その9割が治っている。乳房にへこみやひきつれがあるときは、その下にしこりがあることが多いので要チェック。まれに、乳首から血の混じった分泌液が出たり、痛くないのに乳房が腫れ上がる乳ガンもある。

⇒検査法

乳ガンの検査は、まず視触診をして、そのあと超音波検査とマンモグラフィー(乳房のレントゲン検査)を行うのが標準的。最近では、マンモグラフィーによる検診が注目されているが、ヨーロッパの研究では、マンモグラフィーでしか発見できないごく初期の乳ガンを放置しておいても、命に別状はないという報告がある。また、20~30代の女性は乳腺が発達しているため、マンモグラフィーを撮っても画像が白っぽくなって分かりづらいことが多い。WOMAN世代では、定期的に自己検診を行う程度で十分。ただし、月経前や月経期間中は乳房がはって、分かりにくいので避けること。この時期、痛みがあるのはホルモンによる生理的現象で、通常乳ガンに痛みはない。

⇒治療法

乳ガンの治療法は手術が基本。“乳房温存療法”と“全乳房切除術”に大別される。近年日本でも、乳ガン治療の主流は温存療法になっていて、乳ガンの7割は温存療法ができるともいわれている。
ただし、病院により取り組みに差があり、温存療法の切り方も様々。温存には、しこりの周りに脂肪をつけてくりぬく“くりぬき法”のほか、パイを切るように扇状に切除する“4分の1切除法”もあり、後者では乳房が変形してしまう。温存といわれても、具体的な方法を事前にしっかり確かめて。医師の腕前にもかなり差があるので、今まで行った手術の種類とその数をあらかじめ聞いて医師選びの参考にしよう。
また、わきの下のリンパ節の切除や、術後の放射線療法や抗がん剤治療、ホルモン療法を行うかどうかも、医師によってまちまち。治療の実態をよく知っている患者会に話を聞いたり、セカンドオピニオンをとって他の医師の意見を聞くなど、慎重に治療を選ぶことが肝心だ。この場合、しこりを摘出して検査することになるが、こうした検査でも胸にメスの跡が残る。不安だから摘出してほしいという人以外は、自分で様子を見て、急に大きくなったら受診すれば十分だろう。


■中に液体がたまったしこり乳腺症の仲間の良性腫瘍、のう胞

のう胞は、乳腺の乳管・小葉が変化して広がり、そこに液体が溜まった状態。小さくて超音波検査でしか見つからないものから、5センチ以上の大きさになるものまでサイズは様々。触ってみて一つしか感じられなくても、実際は複数あることがほとんどだ。痛みはなく表面がツルツルしていて、周りに根を張ったような感じはない。
痛みがある場合は、のう胞自体ではなく、乳腺症の痛みと考えられる。というのも、のう胞は乳腺症の一部か、乳腺症とつながったものとするのが一般的。つまり、液体の溜まったしこりが見つかっても、乳腺症と診断されるか、のう胞と診断されるかは、程度の問題ということ。

⇒治療法

放っておいても害はないが、気になる人は、注射でしこりの中の液体を吸い出す治療も、ただし、一度つぶしても、また液体が溜まることは多々ある。


■乳首をつまむと茶褐色の分泌物が出る、乳管内乳頭腫

乳管内にできる良性腫瘍で、乳頭に似たイボ状の突起物の形をしている。1センチ以下のものが多いが、時に数センチに及ぶものも。しこりはあっても柔らかいことが多いため、自分で触って見つけるのは困難。乳首から血の色、もしくは茶褐色の分泌物が出て発見されることがほとんど。

⇒治療法

このしこりがガン化することはまれだが、もともとガンであるものが紛れていることがある。ガンの可能性を完全に排除するには、分泌物中にガン細胞がないか検査するか、病巣を摘出して検査することになる。仮にガンであっても、転移を起こさない性質のガンであるケースが多く、様子をみてみるのも一つの方法だ。




 

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2011年03月31日 更新